くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

受給者証更新の準備

5月の末頃横浜市から特定医療費助成の更新の案内が届いた。
横浜市のHPには一足早く更新のお知らせが掲載されていたので、書類を待っていた。
早速、臨床調査個人票を書いてもらうために病院へ向かった。

午前の少し遅い時間に行ったのだが、病院の受付は人がいっぱいだった。
多くは内視鏡検査を受ける人のようだが、私と同じように個人票を書いてもらいに来ている人も何人かいた。

先着の患者さんの対応が終わるのを待ってから、更新用に臨床調査個人票を書いて欲しい旨を伝えると、個人票の自分で記入する箇所を記したシートを渡され、
「2〜3週間かかりますが、できあがった書類は取りに来ますか、郵送しますか?」と聞かれる。
6月末に診察の予定があるので、そこで受け取っても良いのだが、診察日にできあがってないとまた取りに来なければならず面倒だなと考え、レターパックで送ってもらうことにした。

受付から離れ、手近な机で記入部を埋めていく。
書類を出して精算すれば終わりだと思っていたので、「1年やらないだけでこんなに忘れるもんだなぁ」と心の中でぼやく。
この手の、紙で提出される調査票は集計が大変であろうから、なるべく丁寧に、他人が判別しやすい字で書こうと務めながら「電子化してweb入力にすれば毎年送ったり同じような内容を書かなくても良いのでは?」とも思う。
身長や体重などほとんどの項目はスラスラと書けたが、最後の発病年・月で少し戸惑う。「今、3年目?いや4年目か。3月で3年が経ったから・・」と指折り数えて2018年の3月と記入する。今後年数が増えてくると間違えてしまいそうだ。

記入箇所を書き終えると受付で記入漏れが無いか確認してもらい、
「チェックシートに載っていないが記入して欲しい」と言われた喫煙歴の項目を記入して会計を待った。

前回の診察時と同じアンケートをまだ取っているので、会計には時間がかかる。
会計待ちの人がたくさん居たので本を読みながら待っていると、私の後からも「受給者証の更新で・・」と何人もやってくる。
平日の午前中という時間なので、年齢の高い人ばかりだったが、
年配の人でも更新にちょっと不慣れな感じのやりとりをしている人もいて、「高齢で発症したんならいろんな面で大変だよなぁ」とか、
「いつものよろしくね」という感じで記入済みの書類を診察前にスマートに渡していく人を見て、「手続きに慣れてる・年齢が高いってことは病歴が長い(=症状が進行してる)のだろうけど、やっぱり外見からじゃ(難病だと)わからなんよなぁ」などとぼんやり思う。

名前が呼ばれたので会計に行き、料金を支払って帰った。
書類を書いて出しただけなので荷物もないし、時間も早い。
散歩がてら少し遠回りして帰っていると、一昨年妻が診察について来た(その日の点滴で初めてレミケードの副作用が出た)際に昼食を摂った蕎麦屋が無くなっていた。
このご時世で飲食業は苦しいのか、店主が高齢だったからやめただけなのかわからないが、ちょっとさびしい。

2〜3週間かかると言われた個人票だが、翌週には郵送されてきた。
「これなら診察日にもらっても良かったな」と思いながら、他の更新用の書類と一緒にしまっておいた。
月末に診察があるのでそれを待って、6月分までの1年分を更新の書類として提出する予定にしている。

ヒュミラ 38〜42回目 その2 (2/2)

<<その1からの続き>>


問診が終わり治療方針も決まったので、次回の診察日や薬の量を決めることになったが、次回は7週間後に診察してもらうことにした。
これまでは注射の当日に血液検査をしてもらっていたので、過去の検査結果と比べるのには条件を合わせた方が良いだろうということと、
元のサイクルに戻した方が待ち時間が短くなるのではないか(:この日は本来5/5だった人も来ているので患者数が多く待ち時間が長いハズであり、その1週ズレた人達は通院間隔を短くしてまで元の周期に戻さないだろうから、前の週の方が多少空いているだろう)と考えてのことだ。

また、今更ながらに予約時間も変えてもらった。
惰性で朝一の診察にしてもらっていたが、ヒュミラになってからは点滴の時間を考えなくてもよくなったので早い時間に来る必要はなくなっていた。レミケードの時は診察時間が遅いと終了時間(=昼食の時間)も遅くなり、点滴中に戻ってきた空腹感に苛まれて辛かったのだ。
通勤時間帯を避けられるように予約を今までより少し遅くして9:30にしてもらった。

薬の量も7週間分にしてもらって主治医が入力するのを待っていると、「注射(ヒュミラのこと)はどうする?3本?4本?」と聞かれた。
「4・・いや、3??」と言いかけて、本数に自信が無かったので「ちょっと待ってください」と断って手帳を確認する。
ヒュミラの日数をしっかり確認して「3本でお願いします。4本目は(治療方針が変わる可能性もあるので、無駄にならないように)診察の日にもらうので」と答えると、
「おお、薬を大事にしてくれてありがたいねぇ。アレ、高いんだよ。年間で150万円くらいかなぁ・・」と言われた。
生物学的製剤を使い出してからは受給者証の恩恵を特に強く感じているので「はい。わかっています。受給者証のおかげで助かってますが、リウマチの親戚は生物学的製剤の支払いが結構大変だって言っています」と答え、主治医も「あぁそうなんだ。うんうん」と聞きながら薬の量を入力していく。

薬の量も決まって、使用済みの注射器を返そうとしていると、
新型コロナウイルスの予防接種の話になり、「なかなかコロナの予防接種も進まないねぇ」と言われた。
「ええ、前回の診察の時には『今頃は打ってるのかなぁ』なんて思ってたんですけどね。気長に待つしかないですね」と答え、
「そうだねぇ。まだまだ(順番が回ってこないのは)どうしようもないから、罹らないように予防に気をつけてください」と言われてこの日の診察は終わりになった。


会計は、不定期に行うアンケートをしているせいか、いつもより待たされた。
アンケートはタイムリー(?)に待ち時間についてだったので、診察前の待ち時間について正直に回答しておいた。

会計をする際、窓口に見慣れない薬局の案内が置いてあることに気づいた。
会計時には特に何も言われなかったが、「こんなのが置いてあるって事はいつもの薬局、辞めたのか?!」と不安になって案内を手に取って病院を出た。

心配しながら行きつけの薬局の様子を見に行くと、何事も無かったように営業していた。
挨拶をして処方箋や受給者証などを渡したが、特に変わった様子も無かった。

どうやらあの案内は別の薬局が病院に営業でもしたようだ。
IBDの患者は長期間に渡って定期的に薬をもらいに来るし、高額な薬剤も使うから囲い込めると経営が安定するのだろう。今はどこの薬局に行っても良いので、病院に案内を置いたり掲示してもらえるだけでも新規患者獲得のチャンスが増える。自宅や駅に近い薬局の方が良いと思う人もいるはずだから。
とは言っても、病院最寄りの薬局はソコで処方される薬を大方揃えていて取り寄せを待つ必要が無くて便利(エレンタールを山積みにしていたりフレーバーをセルフサービスにしている薬局なんてIBDの専門病院の近くならでは)だし、病院への問い合わせも慣れていて話が早いから、私は病院最寄りを行きつけにしてしまう。

 そんなことを考えながらエレンタールの送り状を書いて、薬をもらい、今回の検査結果(CRPが少し上がって1.1になったこと)を話して家路についた。

ヒュミラ 38〜42回目 その1 (1/2)

5月の連休期間は病院がお休みなので、今回はいつもより診察の間隔を1週延ばして9週間後の5/13(水)に診察を受けに行った。
注射の本数を調整すれば問題なく診察日を前後させられるのがヒュミラの良いところだ。レミケードでの治療時なら、9週目は長く感じただろう。

いつものように混み合う電車に乗って病院へ向かい、8:40過ぎに病院へ着く。
受付が他の患者さんの対応で埋まっていたので、アルコールで手を洗浄し検温してもらうためにサーマルカメラの前で待った。
これまでは受付のそばでアルコール消毒と体温を確認され、確認済みの紙切れをもらって待合に行くルールだったのだが、
この日は「(カメラで測って)熱はありませんでしたね?」と確認されるだけのややおざなりな検温だけで、確認済みの紙も廃止されていた。
受付に人が多いことからも内視鏡検査を以前より拡大しているようであり、忙しいのだろうか。

まだ人がまばらな待合室に着いて待つと、5分ほどで採血に呼ばれた。
予想外に早い採血だったので、「今日は早く帰れるかも」と期待しながら待合に戻ったが、そこからはしばらく待たされた。
9時を過ぎると、診察を待つ人以外にも内視鏡検査を受ける人や検査の予約・説明の人が続々とやってきて待合室が混み合っていく。先に診察室に出入りする3〜4人を見送りながらNHKの朝の番組を眺めて待つ。

聞こえてくる内視鏡検査の説明からは、感染防止のため、今は"自宅でモビプレップを飲んでくる"しか選択肢がないそうだ。モビプレップで腸内を空にした後の移動は辛いし、万が一全部出きってなくて移動中に便意に襲われたら(自分も周りも心も身体も)地獄なので、人ごとながら「今は絶対やりたくないな!」と思った。

そんなことをしながら30分以上待って9:25頃に診察室に呼ばれた。

 

診察室に入り、いつものように「元気ですか?」と声をかけられる。
「ええ、元気です。今回は注射を忘れそうになる日があるくらいに調子が良かったです」と答えながら椅子に座る。
「おお、そうなんだ。でも(注射は)大事だからちゃんとやってね」、
「ええ、しっかりやります。アレのおかげで調子が良いのはわかっています」と会話をしながら、診察が始まった。

便の回数について聞かれ、「1日2回くらいのことが多いです。注射の直前になると3〜4回くらいになることがあります。全然回数が増えなくて注射の日を勘違いしそうになることもありますが・・」と答えると、「(注射の前になると)やっぱり(効果が)切れてくるんだねー」と言われる。
その後も腹痛の有無や体重、仕事の様子など、いつも通りのやりとり(※ どれも異常なし)をしたあと、
血液検査の結果を画面に表示すると、貧血、白血球数などはすべて正常値であるがCRPだけは上がっており、1.1だった。
これを見て、「CRPが少し増えてるね」としながらも、「これくらいなら大丈夫ですよ」とのこと。
「症状が落ち着いているのでいいですね。このままの治療でいきましょう」ということになった。


<<続きは↓>>

cd-mo.hatenablog.com

 

ヒュミラ 34〜37回目

また文章を書くのをサボっているので、最近の診察の記事の前に、ずっと上げていなかった2ヶ月前の診察の記事を時機外れだが上げておく。



3/10(水)に8週ごとの定期的な診察で病院に行った。
まだ春休みには早いので電車は混んでいる。横浜へ近づくにつれギュウギュウ詰めにされながら病院へ向かった。

受付で検温とアルコールの消毒をして待合室へ移動する。
8:45頃だが、前回より待っている人が多いように感じた。
何度やっても採血のタイミングは全く読めないのだが、この日はいつもより遅く、9:15頃まで待たされた。その間にも待合には人がやってきて混雑してくる。
前回とは違って、内視鏡の説明や予約を(少人数で距離を取りながら)頻繁にやっている感じだったので、診察だけでなく検査待ちの人が多く座っていたようだ。

来院から30分待たされて採血をしてもらい、待合に戻って診察に呼ばれるのを待つ。
前回の採血は出血したり、内出血していたりで散々だったので、「今日は大丈夫だよな」と気にしながら絆創膏を押さえていたが、この日は特に問題になることは無かった。
「今日は長いなー(予約は9:00診察)」と思いながら待たされて、9:50に名前を呼ばれた。


挨拶をしながら診察室に入り、荷物を置く。
「元気ですか?」「ええ、元気です。」のやりとりをしながら座ると、私のリュックを見た主治医に「大荷物だねー。仕事(に使う物)??」と聞かれる。
「いえ、エレンタール積んで引っ張っていくためのキャリーが入ってます。」「ああ、そうか。エレンタールのねー」と世間話をしながら診察に移った。

いつものように、体調や便の回数、腹痛、体重、仕事が出来ているかを順番に聞かれ、「体調は良い状態が続いていて、排便回数は3回/日くらい」、「腹痛は無し」、
「体重は64.8kgで全然減りません(「減らなくてもあんまり気にしなくていいよ(笑)」と返される)」、「仕事は出来てます」とそれぞれの質問に答えた。

「調子良いですね。いいですねー。血液検査もいいよ」と言われてディスプレイに今日とこれまでの検査結果が表示される。
異常値が出ているのはCRPの0.6(前回は0.8)だけで、前回まで基準を超えていた血小板数も正常値に戻り、ヘモグロビンなども基準を十分に超えていた。

「お、良くなってる」と言うと「(CRPが)まだ高い(異常値が出てる)けど、これくらいなら良いですよ。少しずつ下がっている。」と言われ、
「このままの治療で行きましょう」となった。

次回の診察、は8週間後だと5/5なのだが、その日は祝日で病院がお休みということで1週間のばして5/12を診察日にすることになった。
主治医は薬の量をよく間違えるので、すかさず「じゃあ注射は5本出してもらうことになりますね」と言って間違いが無いようにしておく。
他の薬はともかく、ヒュミラは体調維持の生命線だし、血中濃度を下げると二次無効を引き起こしかねない。足りない状況にしてはいけない。
とはいえ、注射の本数を変えるだけで診察の時期を調整できるのでレミケードよりも楽だなとも思う。

他の薬もしっかり63日分処方してもらい、使用済みの注射器を返すと挨拶をして診察室を出た。

診察はあっという間に終わったので、受付に行くと、たくさんの人が待っている。
席を一つ空けては座れないくらいの混みようでかなり珍しい状況だった。
空いている席に荷物を降ろして整理していると、内視鏡検査で来ているらしい人たちが受付で呼ばれて捌けていき、会計でも次々に名前が呼ばれて人が出て行く。
一時的に混んでいただけのようで、受付に来てから5分くらいでいつもの静かな状態に戻っていた。


会計を済ませ、念のため処方箋の分量を確認して薬局へ向かう。
会計が混んでいたためか、薬局の狭い局内も混んでいて、4人くらいが待っていたり薬の説明を受けている。

病院の会計での待ち時間に必要な物はすべてまとめておいたので慌てずに渡すと、薬局内の隅でキャリーカートを広げてエレンタールを持ち帰る準備をした。
カートを準備しているうちにエレンタールの持ち帰り(1箱のみ持ち帰り、残りは宅急便)について聞かれ、あっという間に薬も準備できたので、説明を聞き、量を確認した。

薬をもらって帰ろうかと思っていると、薬剤師さんがメモを持って「前回はCRPが0.8ということでしたけど、今日はどうでした?」と聞いてくる。
「ときどき聞かれる症状や検査結果のメモはちゃんと保存されてたんだ・・」などとちょっと失礼なことを思いながら、「0.6でしたー」と報告する。ついでに、「赤血球数なんかの貧血の指標や白血球数も正常値でした」と伝えておく。
結果が良好なので「良かったですね」と安心されながら薬局を後にした。

・・なのだが、家に着いてからエレンタール用の着払い伝票を書かずに帰ってきたことに気づいた。
急いで薬局へ電話し「伝票を書き忘れてしまったのですけれど・・」と伝えると、
伝票を書かなかったことは承知していたようで(混んでいてスペースも無かったので意図的に書かせなかったようだ)、「こちらで書いてお送りしますよ。大丈夫です」と落ち着いて対応してくれた。
電話口で(毎回同じなので把握されていた)住所や到着日・時間などが間違っていないか確認をして、お礼を言って電話を切った。



【34〜37回目の体調のメモ】

34回目、1/13(水)
1/24(日) 少し便が軟らかくなる
1/25(月) 便の状態は悪くないが排便回数が多い
1/26(火) 便も軟らかくなり、排便回数も多い

35回目、1/27(水) 10:00
2/3(水) 便の調子は良い
2/4(木) 便は少し軟らかい
2/9(日) 昼から夜にかけて便が軟らかい。前日から食事の脂肪が多すぎるか
2/8(月) 便の状態は良いが出血するようになる
2/9(火) 出血少し多い。

36回目、2/10(水) 9:40頃左の太ももに注射。痛み無し。午前は出血多め、便の調子は良いまま
2/13(土), 14(日) 少し下痢気味連休の食事か
2/20(土), 21(日) 下痢気味
2/22(月) 便の状態良い

37回目、2/24(水)
2/25(木) 朝から良い
2/27(土) 便の状態は良いが出血あり
3/2(火) 出血少し多め、この週は出血が断続的に続く
3/6(土) 夕食は脂多め、飲酒。深夜に一度だけ下痢
3/7(日) 便軟らかい
3/8(月) 便の状態戻る

IBD患者の新型コロナウイルスワクチンについて

新型コロナウイルスに対するワクチンの供給は世界的に滞って予定より後ろ倒しになってきている。
先日の報道では、私は一般より早い方(:「65歳未満の基礎疾患を有する(免疫を下げる治療を受けている)方」の区分)ではあるが、5月以降になりそうな雰囲気だ。
日本は欧米に比べると接種が遅れているが、感染者数がずっと少ないことも考えると、欧米の結果をよく見てから対応ができるので悪いことばかりでは無いと思っている。


このワクチンのIBD患者用のQ&A*1を、厚労省補助金によるIBD研究班と日本炎症性腸疾患学会が連名で掲載した。
Q&Aは厚労省補助金によるIBD研究班の新型コロナ特別チームのHP*2で閲覧、DLできる。


Q&Aの中身としては、ワクチンに関する一般的な質問・回答3つと、IBD患者についての3つの質問・回答が載せられている。

【ワクチンに関する一般的な質問】
Q. 日本で認可される予定のワクチンにはどのようなものがありますか︖
Q. 新型コロナウイルスワクチンはどのくらい有効なのでしょうか。
Q. 新型コロナウイルスワクチンの副反応にはどのようなものがありますか。また、その頻度はどのくらいですか。

IBD患者についての質問】
Q. 炎症性腸疾患の患者さんは新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるべきでしょうか。
Q. 免疫を抑制する薬剤を服⽤している場合でも、新型コロナウイルスワクチンは接種できますか。
Q. 新型コロナウイルスワクチン接種で炎症性腸疾患が悪化することはあるでしょうか。


一般的な質問はワクチンに対する疑問点についてで、IBD患者のみに関係するものではないが、せっかくなので目を通しておくと良さそう。
勘違いしやすい有効率については注釈をちゃんと読んで理解しておくと良いだろうし、2回目の接種の間隔はワクチンの種類毎に異なるので、(接種計画が固まってきたら)生物学的製剤の投与と接種タイミングを主治医と相談する必要があるかもしれない。基本的な知識がある方が相談内容が具体的になり相手も答えやすいし、こちらも明快な答えが聞けるので悪いことは無い。
副反応についての記述もあるが、重篤なものは100万件に数件程度の割合で、これを恐れていたら外を歩けないぐらいの数値(ex. 2019年度の日本の交通事故の 死者 25人/100万人、負傷者 3652人/100万人)だ。厚労省の発表している日本での先行接種の結果*3, *4も、1万8千人で重篤な副反応0なので、人種による特別な差もなさそうである。

IBD患者の対応に関しては、接種計画がまだフワフワしているので慎重な書き方だが、

  • IBD患者の接種するメリットはある(海外の学会は可及的速やかに接種すべし)が、リスクもあるので主治医とよく相談してよく考えて決めろ。
  • 免疫を抑える薬を服用していても接種は出来るが、データが不足しているため不明点はある。抗TNF製剤使用患者は、(新型コロナ以外の)数種のワクチンで効果が減弱した例があるので有効性が落ちる可能性もある。
  • 新型コロナウイルスワクチンのIBDへの影響は不明だが、
    現時点で消化器系への重篤な副作用は報告されておらず、一般的なワクチン接種でも悪化することは少ない。

というようなことが書かれている。

まだ接種の具体的なスケジュールや取り決めが詰められていないので回答も曖昧な書き方をしている部分が多く、多くの患者が不安に思っていること(私も次回の診察時に、免疫調整剤や生物学的製剤を使っていてもこのワクチンを打てるのか聞いてみようと思っていた)にざっくり答えた感じだ。

海外でのクローン病患者・免疫抑制治療中の患者の接種結果や、国内での大規模接種が進むにつれて記述が具体的になったり、内容に変更が出てくる可能性は十分にあるので、この第一報だけでなく今後も最新情報の確認が必要だろう。

*1:厚⽣労働省科学研究費 難治性疾患政策研究事業 難治性炎症性腸疾患に関する調査研究班, 日本炎症性腸疾患学会, IBD 患者における新型コロナウイルスワクチン接種に関するQ & A. 2021年2月15日, pp. 5.

*2:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班, "Japan IBD COVID-19 taskforce", 令和2年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班ホームページ, http://www.ibdjapan.org/task/index.html

*3:厚生労働省, "新型コロナワクチンの接種実績", 厚生労働省ホームページ, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_sesshujisseki.html

*4:厚生労働省, "新型コロナワクチンの副反応疑い報告について", 厚生労働省ホームページ, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html