くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

レミケード

ヒュミラとレミケード、使ってみた感想 その2(2/2)

<<その1からの続き>> ・生活する上での利点、欠点 普段の生活をするうえでは2剤に違いは感じないが、長期間自宅から離れる場合には2つの薬の差が顕著に出てくる。その差、主にヒュミラの弱点についてを長々と書いていく。レミケードの大きな利点は、8週間に…

ヒュミラとレミケード、使ってみた感想 その1(1/2)

ヒュミラを使用して1年半以上が経ち、いつの間にかレミケードを使用していた期間を超えていたので、それぞれの使用感を覚えているうちにその比較を書いておこうと思う。生物学的製剤のスイッチに関する記事がよく検索されているようなので、この記事も切り替…

生物学的製剤の種類により抗体の出来やすさが異なる

自分がヒュミラを使うようになったのもあって、二次無効の出やすさが薬によって異なるのかが気になっていたが、 この答えに近いものが川畑(2018)*1に載っていた。川畑(2018)は、エタネルセプトについて解説している論文だが、その文中で抗TNF-α製剤の抗体の…

レミケードの一次無効について

二次無効があるのに一次無効の記事がないのも気持ち悪いと思い、一応まとめてみる。一次無効とは、"初回投与から治療反応性が見られない"症状(遠藤ほか2012*1)のことである。 最初の3回の投与で効果が見られない場合にはこの一次無効であるとされ、他の治…

レミケードからヒュミラへの変更 その2

その1からの続き 待合室で15分ほど待っていると、看護師さんが来て点滴室へ連れて行かれる。血圧を測ったか聞かれたので、「ヒュミラの時もいるんですか?」と聞くと「今回は初めてなので」ということだった。急いで血圧を測って渡すと、降りてきたエレベー…

レミケードからヒュミラへの変更 その1

10/9が10回目のレミケードの予定日だったので病院に向かった。予約した9時よりも15分ほど早く病院に着き、受付で診察券など一式を出して待合スペースで待っていると、5分ほどで採血に呼ばれた。いつも通り診察前の採血をしてもらい、再び待合スペースで待ち…

レミケードで狭窄は起こるのか?

レミケード治療中の消化管の狭窄の話はよく耳にする。レミケード治療をすると、狭窄が起きやすくなるようにも感じられてしまうが、本当だろうか? 基本的には「レミケードが狭窄を進行させることはない」というのが一般的な認識のようだ。 辻川ほか(2010)*1…

レミケード9回目(倍量投与2回目)その2(2/2)

その1からの続き専用の点滴室があると思っていたのだが、連れてこられたのは以前大腸内視鏡検査を受けた時の前処置室だった。看護師さんの後について、検査を受けるであろう人達の間を縫って奥へ行くと、カーテンと壁で仕切られたスペースにベッドがあった。…

レミケード9回目(倍量投与2回目)その1(1/2)

8/14に2度目のレミケード(インフリキシマブBS)の倍量投与を受けた。 台風が接近しており、天気が不安定だったので電車の遅延も考えて少しだけ早めに家を出た。家を出るときには曇っていて、涼しいのがありがたかったぐらいだったが、病院の最寄り駅から外…

レミケードの使い方の変化:変わっていく治療法 その2(2/2)

その1からの続き ・Top-downとStep-up レミケードの登場で、クローン病の治療の方針にTop-down療法という考え方が生まれてきた。レミケードには従来の内科的治療法にはない「粘膜治癒が可能」、「外瘻の閉鎖効果」という大きな特徴がある。この特徴を活かし…

レミケードの使い方の変化:変わっていく治療法 その1(1/2)

レミケードがクローン病の治療に大きなインパクトを与え、強力な治療の選択肢であることは以前も今も変わらない評価であるが、その使われ方や治療戦略はこの20年足らずの間に変化している。レミケードのことを調べていると時々目にするエピソディック投与やT…

レミケード8回目(倍量投与初回)その3(3/3)

その1、その2の続き ステロイドの点滴を受けると点滴後に現れた症状は速やかに収まっていった。呼吸は楽になり、不快感も消える。発疹は、かゆみがなくなり小さくなっていった。途中、様子を見に来た看護師さんもそれを確認して「良かった。効いてるね」と言…

レミケード8回目(倍量投与初回)その2(2/3)

その1の続き点滴が再開されてからは読書をしていたが、10分程度で右の胸がかゆくなる。「点滴の開始時に出るかゆみか?」と思っていると、しばらくしてへその下もかゆくなった。 胸のかゆみは(いつもと違い)掻いても治まらない。「今回はかゆみがしつこい…

レミケード8回目(倍量投与初回)その1(1/3)

6/19に8回目のレミケードの点滴を受けた。今回は初めての倍量での点滴を受ける。妻が「(転院先の)病院の中や点滴をしている様子を見てみたい」と言うので一緒に病院に向かった。予約の9:30に病院へ行き、受付を済ませる。待合室で45分程度待つと診察室へ呼…

転院後2回目の診察と今後の方針 その2(2/2)

その1からの続き。今後の方針が決まると、現在の体調を問診しながら、いつ点滴をしようかという話になった。担当医が急に、「今日この後やろうか? おーい、○○さーん(看護師さんの名前)、今日バイオシミラーできる?」と言い始めたので、「せっかちすぎる…

転院後2回目の診察と今後の方針 その1(1/2)

パテンシーカプセルによる開通性評価検査と診察で、3日連続で病院に行く。似たような時間帯に何度も乗ったので、電車の混み具合や階段に近い車両も把握でき、通院にはもう何の不安もなくなり、到着時間も分かるようになってきた。 予定の10:30より少し早く着…

レミケードの二次無効への対策は? その3(3/3)

その1、その2からの続きの内容 3. 他の生物学的製剤への切り替え これは文字通り、レミケードの使用を止めて他の生物学的製剤へ変更するという方法である。 選択できる生物学的製剤が少ない日本では、まずヒュミラへのスイッチが一般的なようである。金井ほ…

レミケード7回目

レミケードの6回目は効果が不安定で、状態をつかみにくかった。 点滴直後は出血も止まり良い状態だったが、1週目の木曜の午前中に大きく出血し、そこからは状態が不安定になった。 体感としては、「点滴後4週目からスタート」のような感じだった。年末年始に…

レミケードの二次無効への対策は? その2(2/3)

前の記事「2. 既存の治療法との併用」の続き2-2. 血球成分吸着除去療法との併用 血球成分除去(CAP; cytapheresis)とは血中から白血球や顆粒球などの免疫に関わる細胞を除去することでクローン病の症状を抑える方法で、大腸病変を有する患者に有効とされて…

レミケードの二次無効への対策は? その1(1/3)

以前の記事でも書いたが、二次無効の原因が『レミケードの血中トラフ濃度の低下』であると考えられている。そのため、その対処はレミケードの血中濃度を下げないようにすることに焦点が当てられている。 レミケードの血中濃度を維持する具体的な方法としては…

診断から一年間のまとめ

2018年の3/19に最初の診察を受けてから1年になる。最初の一年は、診断までの検査や治療の開始、レミケード治療への方針転換などいろいろなことがあった。その一年の動向を振り返ってみる。2018年3月、年度末に入って飲酒の機会が増え、それにともない肛門か…

レミケード6回目

5回目の後半、5週から8週目までの体調は今までとは少し違い、良くなったり悪くなったりがあった。5週目は前の週より出血の頻度が増え、2日に一回は出血するようになった。週末には毎日一回くらいの頻度になる。2/11は朝夕に出血があり、夜は出血量が多めだっ…

二次無効の原因は? その2(2/2)

以下の3点は、本来の二次無効(レミケードの効果が弱まっていく)の原因ではないが、二次無効と同様にレミケードが効かなくなる原因についてである。 4. 抗TNF-α製剤の腸管からの漏出 田中ほか(2016)*1では、広範な病変がある場合には腸管からのレミケード…

二次無効の原因は? その1(1/2)

以前の記事に、二次無効がほとんどすべての患者に現れる可能性があるということを書いた。では、その二次無効の原因はなんだろうか。本稿と次稿ではそれらを列挙する。 本稿では、レミケードを無効化する、本来の意味での二次無効(レミケードの効果を増強で…

レミケードはいつまで効くのか? その2(2/2)

「レミケードはいつまで効くのか? その1」から続きの内容なので、「二次無効ってなんだ?」という人は下記の「その1」からどうぞ。 cd-mo.hatenablog.com ・二次無効の兆候を捉えることはできるのか? レミケード後に体調が悪くなったとして、それが二次無…

レミケードはいつまで効くのか? その1(1/2)

前回のレミケードの点滴から4週間を過ぎて、体調は下り坂に入っている。なんだかレミケードを点滴するたびに「薬の効果が薄れるのでは」と怯えてるような気がするが、それは二次無効という症例があるからだ。 ・二次無効とは 二次無効とは、金井ほか(2012)…

レミケード5回目と6回目の折り返し

2/4で4週間の折り返しなので、最初の4週間の体調をまとめておく。最初はいつにも増して順調だった。点滴後、速やかにレミケードの効果が実感できた。点滴の翌日には出血が止まり、2〜3日の間には便の調子も安定した。排便の頻度も点滴の翌日から1〜2回/日…

レミケード5回目

まずは、前回のレミケード点滴後の6〜9週の体調について。後半の体調はやっぱり下り坂になる。今回は年末年始のお休みで点滴までの期間が1週間長くなったこともあり、点滴前の状態はこれまでよりも悪いように感じた。12月16日からの週(7週目)は前の週より…

レミケード 4回目と5回目の間

レミケード点滴から4週間が経って折り返しの時期なので、ここまでの体調の変化を記録しておく。というお話。 概ね良い状態だが、途中、すこし調子が落ち込んだ。

レミケード4回目

8週間間隔になったレミケード。その後半は調子がやや下り調子だったこともあり、薬が効くのか?という不安を抱えながらの点滴を受ける。 点滴はいつになく早く終わったが、次の通院が2ヶ月後となり大量のエレンタールが・・というお話。