くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

カプセル内視鏡 本検査 その2(2/2)

その1からの続き。

診察室を出ると8:45になっており「これなら8:30の予約でも良かったんじゃ?」と思いながら待合室をウロウロする。
が、混み始めた待合室を歩き回るのは、あちこちからの不審者を見るような視線が痛い。
調子が悪い人のそばを歩き回るのもよろしくないと思い、人が居ない場所を求めて院内をウロウロする。

最初は「階段を上り下りしていれば人もあまり来ないし、運動にもなる」と思ったのだが、何度か往復しているとうっすら汗をかいてくる。
カプセル内視鏡の撮影中は汗をかくような運動は禁止されている(パッドが外れたら一大事である)ので、階段は断念した。
最終的には、モビプレップを飲んでは歩いている内視鏡検査の人たちに紛れて通路をウロウロし、30分が経つ頃に待合室に戻った。

待合室で控えめに足踏みをしていると先ほどの看護師さんがやってきて、レコーダを確認してくれる。
30分ではまだ胃を通り抜けていなかったようで「まだですね。小腸に行くまで2〜3時間かかる人もいますから気長にやっていきましょう」と励まされ、もう30分歩くことになった。

しょうがないのでまた内視鏡の人たちとフロアをウロウロする。
何時間も歩き続けるのは辛いので、腸を動かすことを意識して歩いた。

追加の30分が経つ頃に再び看護師さんがやってきてレコーダの映像を確認し、小腸に到達しているらしいことが確認された。
「先生に(最終的な)確認をしてもらいますので座ってお待ちください」と言われ、摩診察室の前で座っていると、すぐに名前を呼ばれた。

診察室へ入るとすぐにレコーダを操作して画像を確認してもらい、「ああ、大丈夫ですね。小腸に入ってます」と、自由行動の許可をもらった。

そこからは、強い電磁波を発している場所に近づかなければどこにいても良くなる。
カプセルを飲んでから2時間で透明な液体を飲んで良く、4時間後からは食事も摂れる。

カプセル内視鏡検査の謳い文句で「撮影中は自由に行動できます」というものがあるが、撮影時間の8時間がすべて自由になるわけではないので注意が必要である。
私の場合、10時から自由行動になり15時には病院に戻ってくることになっていたので5時間程度は自由に行動できたが、カプセルが胃に長く滞留すればもっと短くなることもあり得る。


帰ったら昼寝をしてやろうと思っていたが、
診察室を出るときに「あんまり動かないとカプセルが腸に滞留してしまうから歩いてくださいね」と脅されたので、
家に帰ってからも掃除などをしながら、ちょこちょこ動くようにした。

昼食後にトイレに行ったが、レコーダのコード類を抜かないように気を付けたので多少手間がかかった。
レコーダを入れるポシェットにはベルト通しが付いており、ベルトに固定しておくと動く際にブラブラせず楽なのだが、トイレで用を足す際には(ポシェットが自由に動かない分)コードが引っかかったり抜けることが気になりそうだと思った。

通院の時間や昼食などもあるので5時間は意外と短く、あっという間に過ぎてしまった。


病院に着き、戻ってきたことを受付で告げて待合室に居ると、看護師さんがやってきてレコーダを確認するが、しばらく眺めて「うーん」と難しい顔。
診察室へ連れて行かれ、「先生を呼んできますね」と言われて待たされる。

この時点で小腸を抜けていないと、撮影機器を持ち帰ることになり、カプセル内視鏡のバッテリーが切れる17時頃まで撮影を続けなければいけなくなる。
レコーダは翌朝返却しに来ることになるので手間がグッと増えて面倒である。

しばらく待っていると大腸内視鏡をやってくれた先生がやってきて、レコーダの映像を確認してくれる。
何か決め手になる映像が見えないようで、何度か腹部を押しては映像を確認したり、立ち上がって腹部を押されたりして確認作業が続いた。
なかなか判断がつかないので「何度もお腹を押してごめんなさいね。でもここはちゃんとしないといけないトコなので」と謝られたが、
「痛いわけでもないし、ちゃんと分かるまで思う存分押してくれ」という気分だったので特に文句はなかった。

「もう少し歩いてみましょうか?」と言おうかと思ったところで、良い具合に腸管の毛細血管が見えて大腸の中に届いているということが確認された。
先生は「ちょっと専門的な話をしてごめんなさいね」と私に断ってから、先ほどの看護師さんにその映像を見せて、大腸の組織の特徴を挙げながら説明して、
その後、私に笑顔で「お疲れ様でした。これで終了です」と言って退出していった。

撮影は終了となったので記録装置を取り外した。
私がパッドを外している間に看護師さんが蒸しタオルを持ってきてくれて、それで身体を拭いた。
外れそうで頼りなげに感じていたパッドだが、剥がしてみるとかなり強力に張り付いており、濡れたタオルでゴシゴシ拭かないと残った粘着剤がベタベタしていた。

身体を拭き終えたら、カプセルの回収についての確認をされて、会計をして帰った。
検査料金は2万8千円くらいだった。

 


撮影は終わったが、気を抜かず、カプセルの回収をしっかりやらなければならない。
カプセル内視鏡はパテンシーカプセルと違って体内で溶けないので、出てこないとまずいことになる。

「いやだなー」と思いながら便中からカプセルを回収した。
本検査の回収キットは、「ビニール手袋が入ってない」、「シートが流せる」などパテンシーカプセルの時と多少の違いがあったが、手順はほぼ同じだった。
回収時の苦痛は、シートが流せる分だけマシになっているかもしれない。

本検査のカプセルもパテンシーカプセルの時と同じ、翌日の朝、2回目の回収作業で見つけることが出来た。
これで本当に検査が終了となる。