くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

大腸内視鏡検査2019/06 その2(2/2)

その1の続き

飲み終わったことを申告すると、排便回数や最後の便の状態を確認されて、検査室近くの待合スペースに移される。
こちらのスペースにも近くに多数のトイレが並んでおり、ここでは出た便の状態をチェックされる。

着いて早々に便意を催したので排便して確認をしてもらうと、「あと2〜3回だね」と言われた。
自分でも、まだカスが僅かに浮いているように感じていたので、この言葉を「あと2〜3回排便した後に、もう一回見せる」と思い込んで、排便を待った。

それほど時間を置かずにまた排便があったが、その後が出ない。
いくらお腹をさすっても、歩いても、便器に座っても出ない。
困ったのでチェックをしてくれる看護師さんに確認すると、先ほどのセリフは「あと2〜3回(見せてくれたら、チェック終わり)だね」という意味だとわかり、焦る。

「もう一回だけ出てくれー」と思いながらウロウロしていると、「出ない?」と声をかけられ、これまでの排便回数を確認しながら、「1リットルしか飲んでないもんね。もう出ないのもしょうがないね」ということで、便の状態のOKをもらうことが出来た。

その後は、「まだ長く待つと思うよ」と言われたので、待合スペースで様子を見た後、更衣室へ行って本を取ってきた。
30〜40分くらい読書をして待つが、この時、軽いふらつきの様な感覚を感じた。
酷い状態では無かったが、脱水状態だったのだと思う。
その後も問題は起きなかったが、途中で調子を崩すようなことがあったらせっかくの準備が無駄になってしまう。起きてから極力水分を取らないようにしたことを反省した。

一緒に待っていた人たちが名前を呼ばれ始めたので、再び本を更衣室に戻し、待合室で待った。
更衣室から待合室に戻るとき、朝、一緒に着替えたにいちゃんが座っているところを通ったが、ここまでで疲弊したのか、ぐったりしている。
私を見つけると力なく笑って、時間を聞いてきたので14時少し前だと教えると、「まだ4時間も経ってないんすか・・」とうなだれる。
私は、ここまであっというまで、「もう4時間も経つのか!」だったが、初めての検査で先が見えない彼には、とても長い時間だったのだろう。
「このあとは検査して、少し眠ったら結果を聞いて終わりだよ」と励まして、空いている席で順番を待った。

その後15分ほど待ち、名前を呼ばれたので検査室へ向かった。
「トイレは大丈夫か?」と確認されたが、この1時間何も出ていない。「大丈夫です」と即答して検査室へ向かった。


検査室の中はとても広くて、カーテンで細かく仕切られているので全体の大きさが掴めない。
案内されて奥へ行くと空いたベッド(ストレッチャー)が3つ用意されていた。

そのうちの一つに横向きに寝るように指示されて、膝を折り曲げて横になる。
麻酔を入れられるのかと思ったが、待つように言われただけで他には何もされず、横向きになったまま待つことになった。

何をされるわけでもないが、検査室の片隅でカーテンに囲まれてストレッチャーの上に寝かされているこの時間が怖い。ほんの数分の事だが、何倍にも感じた。

看護師さんが集まってくると、「動かします。目をつむっててください」と言われ、目をつむって運ばれていく。検査の様子など見たくはないので、しっかり目をつむり、ストレッチャーの移動だけを感じるように努めた。何度か曲がり、思っているより長い距離を運ばれたように感じた。

運び込まれた部屋は手術室のような狭い部屋で、背中側で準備をしている気配があった。
僅かの時間待つと、検査医が正面に回り、内視鏡検査をしたことがあるかを聞いてきた。
あると答えると、「前回はどんな感じでしたか?」と聞かれたので、
「麻酔が入って、一瞬意識が飛んだら終わっていました。痛くもなかったです」と答えた。
医師は「そうですか。それでは頭がぼーっとするお薬入れていきますね。
眠らせることが目的ではないですけれども、眠っちゃえるなら寝ちゃってください。その方が楽ですから」と言って私の腕に点滴を打った。

そこから先のことはよく覚えていない。
器具を挿入され、何か声をかけられて、「今回は眠らないんだな、弱い麻酔(鎮静剤)なのかな?なにも感じないし、まあいいか・・・」と思ったような気がするが、
気づいたらベッドで仰向けに寝かされていた。

腕時計を見ると、30分以上の時間が経っていた。
もう眠れそうになかったのでベッドで仰向けのままボーっとしていると、看護師さんが来て検査室の横の待合スペースへと連れ出された。
そこで検査結果の説明を待つ。

まだ鎮静剤の抜けない頭でテレビを眺めていると、起きてきたらしい例のにいちゃんが隣に座って話しかけてきた。
なんだか元気だと思ったら、痛くて全く眠れなかったらしい。
「そりゃぁ気の毒に」と言って話を聞いていると、痔瘻に切れ痔、イボもあって下痢らしい。
それでクローン病など他の病気を疑われて検査したとのこと。
それでも元気が良かったのは、痛くて眠れなかった代わりに現場で検査の様子を教えてもらって、大腸に異常が無いと言われたからだった。
「そりゃー良かったねー」と祝福して駄話を続けていると、名前を呼ばれた。

この後は会うことはないと思ってか、にいちゃんは「話が出来て心強かったです。ありがとうございました」と別れの挨拶をして、こっちも「(手術をする予定らしい)お尻を大事にね」と言って説明を受けるために面談室へ向かった。

 
面談室に入ると内視鏡で撮った写真が貼ってあり、検査の結果説明を受けた。
まずは、大腸全部を観察でき、小腸も少し(25センチくらい)入って観察できたことを伝えられた。
内視鏡が奥まで入るのは狭窄がないということなので、一安心。

次に内視鏡で撮った写真の説明に入った。
「これが縦に伸びた潰瘍」、「こっちは不整形潰瘍」と内視鏡像の説明をされた。
今回は写真が少ないので、「おや?」と思っていたら、「1年前の写真と比較して良くなっている」とのこと。「生物学的製剤の効果はすごいなぁと感じます」と言われた。

前回は出血している箇所も多く、もう少し血だらけのイメージだったので、そのことを伝えると、「おおそうだ!そのことも書くのを忘れてました」と言われ、
出血している箇所や簡単に出血しそうな箇所が認められない旨の説明を受け、その場で記述も追記してくれた。

写真を見ていると、潰瘍によって腸管が少し狭くなっているように見える場所があったので「細くなっているように見えるのですが、これは狭窄ではないのですか?」と確認すると、「狭窄ではありません」ときっぱり。
内視鏡は問題無く通るので狭くなっているわけではないそうで、「全体を通しても狭窄はありませんでした」ともう一度明言された。
ただ、「こういう潰瘍が治っていくときに狭窄が起きることはあり得る」とのことで、今後も安心というわけではないとの注意も受けた。

次いで、写真はなかったが、少しだけ観察できた小腸の様子について、
(観察できた範囲の)小腸にも症状が出ていたことを告げられた。

また、前回の内視鏡検査で肉芽腫が確認されているので、今回は生検に回すようなサンプルは採っていないことも伝えられた。

時間を取った丁寧な説明に加え、こちらの質問にもしっかり答えてくれたことに満足し、お礼を言って相談室を出た。

待合室に戻っていると名前を呼ばれ、これで今日の検査はすべて終わり、会計をして帰って良いと言われた。
ようやく水が飲めると思い、給水器で水を2杯飲んでから会計へ向かった。
会計で検査の費用を払うと、さらに2杯の水を飲んでから帰宅した。

帰宅するのに支障は無かったが、腹の中に物が入ってないとやはり力が出ないと感じた。
帰宅してカップスープを飲むと何もする気が起きず、夕食までごろごろとして過ごした。
前回の検査後は週末の間倦怠感があったが、今回は検査後早い段階でお腹を満たしたためか疲れは残らず翌日から元気に過ごすことが出来た。