くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

体重の変化

私は最近10年くらいほとんど体重が変化していない。
成長期がくるのが早く、高校生になる頃にはほぼ現在の身長と同じになってしまったので、その頃から数えても3〜4kg程度増えただけだ。

体重は変わらず、BMIの値も21〜22だったため、これまで自分の体重の変化を気にすることが無く、一年のうちに数えるほどしか体重計に乗らなかった。

 

クローン病の症状のなかには体重減少*1がある。10%の体重減少でIOIBDスコアが1点加算されるくらいの大事な指標のひとつだ。

そのため、クローン病と分かってからはすぐに体重計を買って、毎日決まった時間に乗るようにしている。

 

毎日体重計に乗って分かったことが、「1〜2kgぐらいはすぐに増減する」ということだった。定期的に体重測定をしている人には当たり前のことだろうが、自分の体重がほとんど不変のように考えていた私にはちょっとした発見だった。

治療を始めてしばらく経った頃に、体重が2kg近く減って焦った時期がある。
当時はステロイドも使っており、体調面では回復を実感していたのに、体重が診断時より減り「悪くなっているのか?」と心配になったが、血液検査の数値は回復傾向で、体調も相変わらず良いままだった。

体重も2週間くらいで元の水準に回復していったので病気の悪化では無かったようだ。

 

その後しばらくすると、それまでとは逆に3kg近く太るということが起きた。太りすぎると良いことは無いので、慌てて食事のメモを見直してみたが、体重が減少した時期と変わりないものを同じように食べていた。体重減少時と比べても特別に運動をしたり、しなかったりという記憶も無い。

理由が分からないまま様子を見ていると、体重増加は止まり、しばらくしてまた元の水準へと戻っていった。

 

腸の状態によって栄養吸収に差が出るのでは無いかと疑い、この謎の体重変化の周期(?)について何か情報が無いか調べてみた。

クローン病の患者の体重変化についての資料は少ない(体重”減少”については多数ある)が、
綾部ほか(1994)*2が、栄養療法中の患者の4日間隔の体重測定により、体重増加速度に平均9.6日周期の長日リズムがあったと報告している。
この周期はエネルギー摂取量に依らないことも述べられており、成長期の患者の方がリズムが明瞭であるという点はあるが、年齢に関係ない固有のリズムが存在する可能性を示唆している。

要は、運動と摂取カロリーを一定に管理した状態でも、体重が順調に増えたりあまり増えなくなったり(場合によっては減ったり)という体重増加の波が、どんな人にも観測されるようだ。ということである。

 

ちゃんと数値を残していなかったのもあり、私の体重変化がこれと同じ種類のものであったかは分からないが、体重がある程度の増減をするのはあり得ることのようだ。

少し安心するとともに、短い期間の体重の増減に一喜一憂せず、長い目で観察していくことも大事なのだろうと思った。
また、体重の数値だけで無く、摂取カロリーと運動量をちゃんと記録してエネルギー収支を知らなければ体重変化を考えられない、とも気づかされた。

*1:EAファーマ(高添正和・国崎玲子監修), クローン病ってなんだろう, 2017, 1-26.
http://www.eapharma.co.jp/patient/useful/(ページ内にDLアイコン)

*2:綾部時芳, 蘆田知史, 垂石正樹, 野村昌史, 渡二郎, 榮浪克也, 斉藤裕輔, 柴田好, 並木正義, 1994, 栄養療法中のCrohn病患者にみられる体重増加速度の長日リズム. 日本消化器病学会雑誌, 91, 250-256.