くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

カプセル内視鏡 開通性評価検査 その2(2/2)

その1の続き
カプセルの回収はどうしてもキタナイ内容になってしまうので、読まれる人はご注意を。


大腸内視鏡検査以降はやや下痢気味だったのだが、この日は幸いなことに前日からの回復傾向が続いており、日中の排便はなかった。
カプセルを飲んだ後の食事には何の制限もないのだが、調子の良さを維持したいので、夕食も消化の良いものを選んで食べ過ぎないように注意した。


最初の便意は夕食後1時間くらいしてからやってきた。
調子が良かったので切迫感は無かったが、回収手順を確認したりでモタつくことが考えられたので、余裕があるうちにトイレに行くことにした。
手順をしっかり確認しながら便座にシートを引っかけ、張り具合などを確認してから排便した。

大変だったのはその後だった。
まず、お尻が拭けない。
便座はシートで覆われているので拭いた紙の行き場がないのだ。
シートから便(というより、出ているかもしれないカプセル)が落ちては一大事なので慎重にシートをずらして隙間を作り、お尻を拭く。

その後は、肘まであるビニール手袋を着け、紙スプーンでカプセルの有無を確認するのだが、それが非常に苦痛だった。
とても嫌なことではあるのだが、カプセルの排出を確認できないとX線検査をすることになってしまう。
吐き気と戦いながら、便の中を探ってカプセルが無いことを確認した。

便を受けているシートはトイレに流せないので、カプセルの確認後はこれを廃棄しなければならない。
これも苦痛だった。
シート上の便をなるべくトイレに流し、紙スプーンやビニール手袋とともに廃棄用のビニール袋に入れる。
それをさらに(家にあった)別のビニール袋に入れて、二重にして廃棄した。

ビニール手袋は肘まであって、手が汚れることはないのだが、作業への嫌悪感から、トイレを出てから手をかなり丁寧に洗った。

「もうトイレ行きたくないなー」と思いながら戻ってげんなりしていると、妻が(同情しながら)臭い対策にマスクを使うことを提案してくれた。
少しでもマシになればと、早速使い捨てのマスクを回収キットと合わせて置いておいた。
その日は、その後に排便はなく、就寝した。

翌朝少し起き出すと、便意を感じる。
「いやだなー」と思いながらもカプセルが回収されないと検査も出来ないので、トイレに向かい、シートをセットする。

前日の経験を活かし、シートに隙間を作って張っていたのでお尻も問題無く拭けて、その後紙スプーンで便をまさぐる。
マスクのおかげか、諦めがついたのか、前日ほどの吐き気はなく作業が出来た。

カプセルはかなり大きいイメージがあったので、排出されるときは気づくだろうと思っていた。
このときも、排便時に異物が出た感触もなく、見た目にも露出していなかったので「まだ出てないだろ」と思いながら紙スプーンでつついていたが、
コツコツと硬い物の感触があった。
「おや?」と思ってほじくり出してみるとカプセルが出てきた。

飲むときはあんなに大きく感じたカプセルだが、便中にあるととても小さく見えた。
「(イヤイヤチェックしてたので)見逃さなくて良かったー」と胸をなで下ろしながら、回収の手順を再確認して、回収した。

出てきたパテンシーカプセルは、まず透明なビニール袋に入れてチャックをしっかり締め、プラスチックのケースに入れる。
そのケースを中が見えない茶色のビニール袋に入れて提出する。
カプセルを洗う必要は無い。
二重三重になっていても、まだ臭うような気がしていたので提出用の袋をさらにジップロックに入れて封をして持って行くことにした。

カプセルをしっかり回収してから、片付けをしてトイレを出た。
排便のチェック表に記入をし、カプセルを忘れないようにカバンに入れて、朝食や朝の準備をして家を出た。


その日は15時に病院へ戻る予定だったが、カプセルが回収された場合は早く来院しても良いとの事だったので、午後休をとって早めに病院へ向かった。

病院には予定の1時間前につき、受付で事情を伝えて待合室に向かった。
待合室で待っていると、看護師さんに呼ばれて、カプセルを提出した。

それほど待たないうちに診察室に呼ばれる。
机の上には洗浄されたパテンシーカプセルがプラケースに入って置いてあり、「カプセルはキレイな状態で出てきましたので(カプセル内視鏡の本番の)検査できますよ」と言われた。
カプセルが壊れていなかったことにホッとしながら、検査することを承知した旨を告げると。
「検査の同意書への記入とか説明を看護師の方からしますので」と言われて、あっけなく診察は終わった。


待合室に戻ると程なく名前を呼ばれ、別の診察室に行く。
そこでカプセル内視鏡での検査の同意書にサインをし、事前準備や当日のことについての説明を受けた。

同意書にはカプセルが体内で詰まった場合には内視鏡や外科手術によってカプセルを取り出す旨の記述も明記してあった。
撮影用のカプセルはパテンシーカプセルと違って体内で溶けたりしないので、詰まったら一大事で、これはしょうがないことである。

事前準備は、基本的にはパテンシーカプセルを飲む時と同じだが、検査前日に下剤を飲むということが加わった。

また、検査中は静電気が発生しないように厳しい制約がある。
カプセル内視鏡で撮影された映像は、体内のカプセルからの信号を、腰の部分に取り付けたレコーダで受けることで記録される。
注意事項を聞くと、レコーダが誤作動をしないように、静電気や電磁波にはかなり気を遣っているようだ。
静電気対策としては、綿や麻のような天然素材の服を着てくるように言われ、
検査中は携帯電話やスマートフォンの電源を切っておくように言われた。
カプセルが胃を通過すれば病院での拘束は無くなり、自由に行動できるようになるが、その際も強い磁気を発する場所や家電にも近寄らない方が良いと言われた。

注意事項の説明が終わった後に、排便のチェック表と余った回収キットはどうしたら良いかと聞いたら、「いらなければこちらで処分しておきます」と言われて、
持って帰る気もなかったので処分してもらった。
チェック表は見られることもなく処分されたが、カプセルを回収できなかったときのみ参考にする物だったのだろうか。

診察室を出た後は会計をして、薬局で下剤を出してもらって帰宅した。