くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

レミケード9回目(倍量投与2回目)その2(2/2)

その1からの続き


専用の点滴室があると思っていたのだが、連れてこられたのは以前大腸内視鏡検査を受けた時の前処置室だった。
看護師さんの後について、検査を受けるであろう人達の間を縫って奥へ行くと、カーテンと壁で仕切られたスペースにベッドがあった。
このスペースを見た第一印象は「狭い」。
ベッドも狭く、三方を壁(一面の半分は磨りガラス)で区切られているので圧迫感がある。
それでも、壁面に作り付けのナースコールや酸素の栓が出ているので正規の点滴スペースなのだろう。

看護師さんに促され、荷物をおろし、本を出して横になる。
ベッドと点滴の位置から、今回は右腕にしてもらうことにした。
看護師さんは「本を読むなら・・」と右腕を自由にしてくれようともしたが、副作用などでバタバタするかもしれないので、ベッドサイドで作業もしやすいであろう側でお願いした。

ナースコールを枕元の操作しやすい位置に移動して、9:40頃に点滴が開始された。
問題が無ければ2時間で終わる投与速度だ。

前回の副作用の経験があるので、「最初の30分は読書をせず体調の変化を気にしていよう」と決め、点滴容器を眺めながら過ごした。

5分、10分と過ぎていくが身体には何の変化も無い。15分が過ぎた頃には「今回は本当に副作用がでないのではないか?」と思い始めていた。

しかし、20分が過ぎる頃に、急に呼吸が苦しいと感じはじめる。
発疹やかゆみが無かったので少しだけ様子を見たが、すぐに胸にかゆみが出て、膨らんでいる感触があったので、
今回は迷わずナースコールを押した。

前処置室はナースステーションに隣接しているのですぐに看護師さんが来て点滴を止めてくれた。
息苦しさと胸のかゆみを訴えると、すぐに「先生に処置を確認します」とのことで対応してくれた。
ステロイドを待つ間も様子を見に来てくれ声をかけてくれる。

二度目の副作用なので、ステロイド投与も早く、5分ちょっとくらいで点滴されることになったのだが、この5分間が辛かった。

前回の経験から、症状が出てすぐにナースコールをしたのだが、
呼吸に関しては副作用が前回よりも重く出たようで、最初は「少し苦しいかな?」ぐらいだったのが、だんだん胸が押さえつけられているように呼吸がしにくくなり、「"息が詰まる"というのはこういうことか」と思うようになっていった。
待っている間に腹部の気持ち悪さも現れてきて、これもだんだんと増していく。
「あんまり酷いようならもう一度ナースコールを・・・」と思い、ナースコールの位置を確認しながら耐えた。

ステロイドの点滴を入れるとすぐに症状はひいて楽になり、ホッとした。
待っている時間をとても長く感じたので腕時計を見ると、ナースコールを押してから楽になるまでに10分も経っていないぐらいだった。
思っているよりもだいぶ短い時間で症状が進んだので、「へんに我慢しなくて良かったな」と胸をなで下ろす。


ステロイドの点滴は20分くらいで終わり、副作用の症状も無くなったので、10:25過ぎにレミケードの点滴が再開された。
この時、投与速度を少し緩めると言われた。

再開後しばらくすると身体がかゆくなり、「また副作用か!」と思ったが、発疹が出ることはなく、他の症状も出ずにやがてかゆみは消えた。

その後は不慣れな左手で本を読んだり、腕が疲れてただ寝転んだりを繰り返して過ごした。
細長い規格(ハヤカワ文庫)の本は重心の位置が遠くなり、片手で支えると重く感じるので、点滴の時は止めようと心に決めた。


点滴が終わりそうになった12時過ぎに看護師さんが様子を見に来て、体調はどうかと確認をされた。
「(副作用について)心配なら先生に診てもらえますけど、どうします?」と言ってくれたが、ステロイドで症状が治まり問題なかったので再度の診察は必要ないと伝えた。

12:20ころに点滴がすべて落ちたのでナースコールを押して点滴が終わったことを伝える。
やってきた看護師さんはガタイが良く、威勢の良い姉ちゃん。
チューブに残った薬剤を流し込むと手早く点滴の針を抜いて腕に絆創膏を貼ってくれた。
が、針を抜いた後がちょっと雑。
腕には針を抜いたときの血が少し付いたままで、絆創膏の中心と点滴の針穴の位置とが結構ズレていたので、後に絆創膏の端から血が染み出してくることに。

「お疲れ様でしたー!」というその看護師さんの元気な声に送られて点滴室を出ると、まずはトイレに向かい、血を拭ってから会計に向かった。


会計を済ませると薬局へ向かい薬をもらう。
この日は天気が不安定だったのでエレンタールは着払いで送ってもらうことにし、フレーバーやペンタサ、鉄剤だけを担いで行くことにした。

宅急便の伝票を書いていると、薬剤師さんがカルテのような物をもってきて、以前受けた大腸内視鏡の結果はどうだったか聞いてきた。
クローン病によくある像が見えていて、初診よりは良くなっているけど炎症や潰瘍は完全には消えてないというような結果を、かいつまんで説明した。
薬局でも患者の体調を把握しておこうということだろうか。

この薬局で薬を受け取るのは2回目であり、処方されている薬も前回と変わらないので、
薬の量、名前の確認と簡単な説明だけで受け渡しは終わり、帰路についた。


点滴後の効果は今回もすぐに現れ、当日の夜以降出血はない。
便の状態も良くなり、排便回数も1日2〜3回と少なくなり、切迫感のある急な便意もない。
その状態で1週間が過ぎている。

ただ、点滴翌日(8/15, 木曜)の午後から頭痛があり、帰って体温を測ると37.6℃だった。
市販の風邪薬を飲んで眠るもすぐには熱は下がらず、夜の間も37℃台前半の熱が続き、翌朝も頭痛はないものの37.2℃あった。
翌日(8/16, 金曜)の昼前には体調が普段通りだと感じたので、午前中のうちに下がったようだ。
夕方、帰宅して検温してみると平熱に戻っており、その後は発熱することはない。