くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

診断後二年目のまとめ

2020年の3月でクローン病と診断されて2年が経つ。
2年目も転院や検査、レミケードの倍量投与にヒュミラへのスイッチと様々な出来事があった。
今年も1年間の病気の経過をまとめてみる。

 

4月30日に7回目のレミケードの点滴を受けた。
低調な調子が続いた6回目に続き、7回目も効果はイマイチ。
点滴後の早い段階から出血が起きるようになり、調子の良い期間が短くなっている感じがする。
点滴中のかゆみや点滴後の発熱もあり、アレルギーの症状が必ず現れるようになっていた。
そんな調子の中で、5月に引っ越しをし、転院もした。


転院先では専門の病院に再紹介をされるなどドタバタがあった。
紹介された先の肛門科は受付で一悶着あったが診察をしてもらい、差し迫った異常は無いが、肛門が狭くなっている事を説明された。
その後に系列の専門病院へ再度紹介された。
再紹介された先でクローン病の症状や現在までの治療について詳しく診察が行われ、レミケードの効果が上がっていないことが当面の問題とされた。
治療を開始してから1年が経っているので、現在の腸の状態を確認するためにも大腸・小腸の内視鏡検査を行うことが決まり、6月は検査だらけの月となった。

人生2回目の大腸内視鏡検査は前回の経験もあって比較的スムースに前処置をする事が出来た。検査自体は1回目と同様、眠ってしまって全く覚えていなかった。
検査結果は、潰瘍はあるものの狭窄はなく、出血は治まっている状態だった。

カプセル内視鏡検査の方は少し面倒で、クローン病患者のように狭窄の可能性がある患者は、事前に開通性評価検査を受ける必要がある。
私も、大腸はともかく、小腸の状態は不明なので開通性評価を受けた。

とても大きく見えるダミーカプセルに尻込みしながらも、飲んでみると意外にあっさり飲み込め、その後は特段異常を感じることもなく過ごした。
ただ、排出されたあとのカプセルの回収は苦痛だった。
検査結果は、ダミーカプセルがキレイな状態で排出されたので、本物のカプセルを飲んでも問題無いとのことで、1週間後に本検査を受けることになった。

本物のカプセルで検査を受けるときはダミーの時より制約がある。
観察の妨げにならないよう鉄剤の服用を5日前から中止し、検査当日は静電気の起きにくい服装をする。また、撮影したデータを受信するレコーダを身体に付けることもダミーの時とは異なる。
カプセルを飲む前後の飲食にも制限がある。

消化管の泡を消す薬を飲んだ後、カプセルからの信号を受信する装置を付け、カプセルとレコーダを同期したらカプセルを飲み込んだ。1時間病院内を歩き回ってカプセルが小腸へ到達したことを確認してもらうと一時帰宅した。
5時間の自由行動の後に病院に戻り、カプセルが大腸まで移っていることを確認できたのでレコーダを外して帰宅した。
帰宅して以降は、またイヤなカプセルの回収をし、回収できたことで検査は完全に終了した。

カプセル内視鏡検査と前後して今後の方針を決めるために診察を受けた。
大腸内視鏡検査の映像からレミケードの効果が出ていないことを告げられ、治療の変更を迫られる。
かねてからの考え通り倍量投与を選択し、次回、8回目のレミケードは倍の濃度での点滴となった。
転居時に申請した特定医療費の受給者証がまだ届いていなかったので、受付でカードの使用の可否やおおよその支払額を確認して帰宅した。

6/19の8回目のインフリキシマブ点滴は、初めての倍量投与であり、初めてのバイオシミラー(インフリキシマブBS)の使用でもあった。

点滴開始から10分で副作用が現れ、発疹が出てきた。
ナースコールを押して症状を伝え、点滴を継続すると、呼吸が浅く苦しくなり、発疹が増え、(普段ならあり得ないはずの)便意も感じた。

ここで点滴は一端中止となり、トイレに行った後にステロイドの点滴を入れてから再開となった。
ステロイドを点滴すると不快な症状も発疹も治まり、問題なくレミケードの点滴も終えることができた。
その後の副作用としては、点滴後2日目の夜に37℃台前半の発熱があった。

倍量投与の効果は、体感としても端から見ても感じられ、6,7回目の時よりも元気なようだった。特に、6〜8週間目があまり悪くならないように感じた。


7月に入ると特定疾患医療費助成の更新の時期なので、(受給者証がまだ手元に届かないが)手続きについて市役所に問い合わせを行った。
同時に、転院後の病院にも問い合わせをし、臨床調査個人票を書いてもらうのに必要な手続きを確認した。

問い合わせと前後して受給者証が届いたので、早速病院に行って書類の手配をし、受給者証が無かった時期の医療費の払い戻しの書類も書いてもらった。

臨床調査個人票が届いたら区役所に向かい、医療費助成の更新と、支払った医療費の払い戻しの手続きを行った。
4月までは以前住んでいた自治体の自己負担上限管理表なので、横浜市とは少し体裁が異なるので、そのあたりも都度伝えながら、書類に不備が無いかをしっかりチェックしてもらった。


台風が接近してきていた8/14に2度目のインフリキシマブBS(レミケードのバイオシミラー)の倍量投与を受けた。
血液検査の結果は異常値のままだが、前回より僅かに良くなっていることや体感的に効果もあることから、倍量での投与が継続された。
担当医の判断で今回も事前のステロイドは使わず、副作用が出るようなら使うということで点滴がスタートした。

開始後20分ほどはなんともなかったが、その後急に呼吸の苦しさや痒みが現れてステロイドの点滴をすることになった。2度目の副作用ということもあってか、前回よりも症状が進むのが早いように感じた。

ステロイドの投与後はすぐに気分が良くなり、インフリキシマブBSの点滴を再開できた。

投与後の副作用とみられる発熱は今回もあり、点滴翌日の午後から37℃台中盤の熱が出て、市販の風邪薬を飲んでも翌日の昼前まで続いた。

効果は倍量投与直前と比べればぼちぼちで、7週目までは徐々に便の状態が緩くなっていき、出血も(2,3週目を除けば)ほとんど無い状態が続いた。
8週目は薬の効果が弱まっていて、下痢気味になり、週末から週明けにかけて出血もあり、腹痛も出ている。

 

9月にはラグビーのワールドカップを観に行った。
レミケード後1ヶ月で調子は安定していたため、楽しく観戦することが出来たが、
それでも、食べ物が持ち込み禁止なのに売店はジャンクフードばかりだったり、
男性の割合が多いイベントなので男子トイレに長蛇の列が出来たり、人混みで移動ができないためにトイレへ簡単に行けないなど、
我慢できない便意が急に襲って来るクローン病患者には、こういう大きなイベントは不向きかも知れないと考えさせられた。

 

10/9が10回目(倍量投与3回目)のレミケードの予定だったが、問診や当日の血液検査の結果から、
急遽レミケードの投与を中止してヒュミラへと治療薬を変更することになった。

ヒュミラは通常量での投与で効果を試してみることになり、
レミケードで副作用が出ることから、初回は注射後1時間は病院で待機することになった。

最初にダミーのペン型ヒュミラで注射器の使い方を学び、
(副作用が出たらすぐに薬剤の点滴に切り替えられるように)生理食塩水の点滴をしながら本物のヒュミラを腹部へ打つことになった。

初めて自己注射をするので、恐る恐る腹部へ打ったが痛みは全くなく、心配された副作用も起きることは無かった。

効果は通常量でもしっかり発揮され、3日程度で便の状態が良くなって出血もなくなり、5日ほどで排便回数も2〜3回になった。
この状態は12日目までは続き、13,14日目は少し軟らかめの便や薄く出血した。
また、遅発性の副作用とみられるような症状は一切見られなかった。

初回のヒュミラの注射から2週間が経った10/23に効果の検証と2度目のヒュミラ注射のために診察へ向かった。

診察と血液検査の結果から、効果が見られたのでヒュミラを継続することになり、8週間分のヒュミラを出してもらうことになった。
2回目も病院で打ってから薬局へ向かい、ヒュミラバッグを持って帰宅した。

10の末頃、かねてから闘病中であった父が亡くなったので、(危篤の連絡を受けた時点から)体調は悪化し、2回目,3回目のヒュミラは効果がよく分からない微妙な状態が続いた。

4回目から再び効果を実感できるようになるが、肛門部からの出血が時々起きるようになり、5回目も出血については断続的に続く状態は変わらずだった。

 

12/18に8週間毎の診察で病院を訪れた。
この日は担当医が急遽お休みで代わりに院長に診てもらった。

出血が続くので心配したが、血液検査の結果はかなり改善しており、一安心する。
肛門部からの出血には座薬使うことになり、ヒュミラは継続する。
初めての座薬で、入れ方に苦労する。

6回目以降も便の状態は良く、7回目などは注射日の朝でも良い状態が続いたので注射日を勘違いしそうになるくらいだった。
一方、出血の方は座薬を入れた数日は止まるが、その後はまた出血するようになり、完全に止まることはなかった。


年が明けた2020年の1/29に診察を受けに病院へ向かった。
8週目は都合が悪かったので、普段より2週間早い通院である。

肛門からの出血が続くので、診てもらうためにお尻をよく洗い、診察を待った。
この出血が続くことについては担当医も強く反応し、詳しく問診をした後、肛門の診察もしてもらった。
結果、肛門からの出血であり、治療のためにステロイドを含まないタイプの座薬を1月分処方してもらうことになった。



肛門からの出血が起きることは気がかりだが、ヒュミラは効果を感じており、(レミケードをやり始めたときのように)快適に生活できている。

抗TNF-α製剤が効果を発揮するということは、私のクローン病はTNF-αが優勢なのだろうから、
他のサイトカインを抑える生物学的製剤では今のような劇的な効果は得られないのだろうと考えている。
レミケードは1年程度だったが、ヒュミラは長く使えてほしいものだ。




○2年目の治療や体調変化に関する記事一覧

  1. レミケード7回目:以前ほどの効果が現れない6回目以降の様子や、アレルギー症状が出ている7回目の点滴前後の様子
  2. 転院とその関連する手続き:転院の手続きと特定疾患の医療費助成の再手続きについて
  3. 7回目と8回目の折り返しと転院後初の診察(その1〜2):早い段階から効果がやや不安定な7回目の様子と、転院先でのドタバタ
  4. 大腸内視鏡検査2019/6(その1〜2)大腸内視鏡検査の前処置から検査後までの様子
  5. カプセル内視鏡 開通性評価検査(その1〜2):本検査前のダミーカプセルでの検査。検査前日から回収されるまでの様子
  6. 転院後2回目の診察と今後の方針(その1〜2)大腸内視鏡検査の結果からレミケードの通常量投与では効果が無いことを告げられ、治療方針を変更する
  7. カプセル内視鏡 本検査(その1〜2):撮影用のカプセルを用いた検査の様子
  8. レミケード8回目(倍量投与初回)(その1〜3):初めての倍量投与と投与時の副作用、その対処の様子
  9. 更新と医療費の払い戻しの準備:引っ越しによってイレギュラーな手続きをしているので受給者証の更新について役所と転院先に確認をした話
  10. 更新と医療費の払い戻しの手続き:受給者証の更新と医療費の払い戻しの手続き
  11. レミケード9回目(倍量投与2回目)(その1〜2):倍量投与の効果や2回目の倍量投与、再び現れる投与時反応についての様子
  12. ラグビーワールドカップを観戦:スタジアムのような場所では(行き帰りも含めて)食事やトイレ事情がクローン病患者には辛い
  13. レミケードからヒュミラへの変更(その1〜2):血液検査で倍量投与でも効果が無いとされ、急遽ヒュミラへのスイッチが決まる
    初めての自己注射は痛みも副作用も無く無事に終えることが出来た
  14. ヒュミラ2回目:初回投与から2週間。ヒュミラの効果は上々で今後の継続が決まる。2度目の注射の後は初めてヒュミラを家に持ち帰る
  15. 父の葬儀(その1〜3):2回目のヒュミラを打ってから3日後に父が亡くなる。危篤の連絡直後から体調は悪化し、ヒュミラの効果が上手く現れないなかで喪主として通夜や葬儀を行った様子
  16. ヒュミラ2〜5回目(その1〜2):父の葬儀前後の体調不良とそこから回復していく様や肛門部からの出血、担当医不在の診察でのちょっとした不満について
  17. ヒュミラ6〜8回目(その1〜2):ヒュミラの効果は出ているが、出血が続くので肛門の診察を受けた