くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

書籍とインターネット、勉強するなら・・

「痴れ言・放言」のカテゴリーなのでクローン病とは関係の無い、主観のみのいい加減な記事です。ご注意を。


かつては、知識と言えば書籍からと相場が決まっていたが、2000年代に入ってからはweb上のコンテンツも充実してきた。
そして、webの発達に伴って情報収集がとてつもなく楽になった。
クローン病」と検索するだけで無数のページが表示される。

それでも、私はちゃんと勉強しようと思ったら書籍を探して読むようにしている。
これは私が20世紀生まれの人間だから、だけではない。

Web上の情報は、文章が短くわかりやすくまとめられていて、
図や写真、動画も豊富で、効果的にはめ込まれていることが多く、概要をつかむのにはとても良い。
手軽に検索でき、短時間で内容が把握できるのも大きな魅力だ。
その反面、一般的で平易な内容になりがちで、踏み込もうとすると「欲しい情報がどこにも載っていない」や、「詳細が不明」という事になりやすい。
書籍に比べれば文字数が少ないので、知識が増えてくるとどうしても物足りなさを感じる。アクセス数の少ない深い情報は探しにくいのだ。

他方、書籍は、厚さや文章量からとっつきにくいし、専門的な内容のものは高額だが、文字量の多さに比例して、多くの情報を内包している。
教科書ならば引用文献のリストが付いていて、より詳しく知りたい場合は引用元を辿っていくことも出来る。

単純に情報量が多いというだけでなく、書籍には著者らの考える流れがあるのも重要な点だ。
Web上での情報収集は、点の情報になりがちで各点のつながりがわからなかったりするが、書籍には一貫した流れ(目次)があり、知識を整理しやすい。

クローン病の全般的な教科書であれば、「クローン病とは」からはじまり、合併症についてや長期の予後、検査についてや治療法(薬物療法、栄養療法、手術)の概要・詳細のような内容が順を追って書かれていることだろう。
一冊読めばクローン病のおおよそのことが系統的に把握できる。
複数読めば、共通する内容、書籍毎の差異から新たに認識することが出てくる。

知識が系統立って理解できれば、自分の知識が不足している部分が見えてくるし、興味のある部分を深めようともする。全く新しい考え方や、知識が増えたからこその疑問も湧いてくる。
一つの書籍から得た知識を踏み台に、調べたいことが大きく拡がることがある。

例えば、レミケードの「二次無効」や「効果減弱」といった言葉はweb上からだけでは見つけにくい。
そういう現象があると分かっていても、どんな言葉で検索すれば良いかわからないのだ。
私の場合は、「レミケードの効果が弱まる」論文を探して読んでいるうちにこの言葉を見つけ、複数の論文で使われていることから用語として通用しているとわかった。

概念が言葉になったことで、思考がハッキリし、
二次無効の「定義や原因、予防や対策は?」といった新たな疑問が一気に湧いてくることになった。
「二次があるなら一次は?」という単純な疑問も、言葉を知らなければ出てこなかったものだ。
用語が分かったことで検索も楽になったので、多くの資料を見つけることができ、知識が深まったと思っている。サイトカインのことも気になりだしたので、免疫学の簡単な教科書も買ってしまった。


私は、Webと書籍は知識の両輪であると思っており、
Webで概要をつかみ、知りたい部分を書籍で学んで理解し、新しい用語や概念を仕入れ、それをまたwebで検索してみる。
というように使って自分の知識を増やしていっている。