くろーんもーのクロ歴史

2018年の3月に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的なブログです。病状や治療のことを書き綴ります。

治療法ごとの新型コロナウイルス感染症の重症化リスク 続報(Japan IBD COVID-19 taskforce第3報)

これよりも新しい内容の記事はこちら↓ 先週の記事で書いた、IBD研究班の新型コロナ特別チームの5/2付けの現況のまとめ(Japan IBD COVID-19 taskforce 第3報)がHP*1に掲載されている。 第2報とあまり変わらない部分 感染数の年代分布は、第1報では若年者(…

IBD治療方法ごとの新型コロナウイルス感染後の重症化率など(Japan IBD COVID-19 taskforce第2報)

かねてから予告されていた、厚労省補助金によるIBD研究班の新型コロナウイルス特別チームのHP*1が公開されている。公開資料は以前の記事でも書いた2種類に加えて、特別チームの設立趣旨や、4/19、4/24発表の、世界のIBD患者のデータが上がっている。 新型コ…

新型コロナウイルス感染症の治療に使われるかもしれない生物学的製剤

先週、「重症化した新型コロナウイルス感染症の治療にリウマチ薬が効果か」というニュースを何度も耳にした(例えばNHKのNews Web*1, *2)。関節リウマチの治療と言えば、近年の主力は生物学的製剤。ニュースで流れてくる薬の一般名もトシリズマブ。○○マブと…

クローン病の新型コロナウイルス感染のリスクについて(Japan IBD COVID-19 taskforce第1報)

【注意!】このページに書いてある内容は2020年4月時点で私が収集したもので、すでに古い情報となっています。 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班のHP内の、COVID-19関連の特設ページ(URL: http://www.ibdjapan.org/task/index.html)では毎月IBD…

できることをするだけ

3日前から在宅勤務へとシフト。先月末から対応(基本方針)が通知され、在宅で仕事ができるようにコンピュータ周りやデータ類、仕事のスペースを確保してきていたので大きな混乱はないが、大型のディスプレイが無いのが不便である。携帯電話は支給されていな…

ヒュミラ 9〜12回目 その1(1/2)

3/25(水)に8週ごとの診察を受けに病院に向かった。朝8時頃の電車に乗ったが、車内は普段より少しだけ空いている感じがしたが、満員電車であることは変わりなし。 病院に着く頃に便意を覚えたので受け付け前にトイレに行き、ウォシュレットで念入りに洗って…

診断後二年目のまとめ

2020年の3月でクローン病と診断されて2年が経つ。2年目も転院や検査、レミケードの倍量投与にヒュミラへのスイッチと様々な出来事があった。今年も1年間の病気の経過をまとめてみる。 4月30日に7回目のレミケードの点滴を受けた。低調な調子が続いた6回目に…

アヤしい治療とアタラしい治療

この稿は特に根拠のない、自分の思い込みが多く書かれている。読まれる方は注意されたし。昨今の新型コロナウイルスでもそうだが、クローン病やガンについて調べていると怪しい治療が目に留まることがある。難病や命に関わる病気には、その弱みにつけ込むよ…

実は根拠の薄い脂肪の制限 その3(3/3)

<<その2からの続き>> なぜ脂肪制限をしているのか? 根拠が薄いのが分かっているのに、お前はなぜやっているんだ?と思うかもしれない。 私が脂肪の制限をしている理由は3つある。 調子が良くなるから、藁にもすがる、カロリー制限の3つがそれだ。 「脂肪の…

実は根拠の薄い脂肪の制限 その2(2/3)

<<その1からの続き>> 厚生省研究費による調査班のその他の報告 福田ほか(1998)以外にも、90年代の終わり頃までは、厚生省の研究費による調査班で脂肪に関する検討が複数行われている。 馬場ほか(1998)*1は、栄養療法の効果が、抗原性の無いアミノ酸によるも…

実は根拠の薄い脂肪の制限 その1(1/3)

クローン病と言えば脂質の制限。脂肪や食物繊維の摂取を制限する食事療法はいろいろなところで耳にする。この食事療法を強く推している医師もいる(例えばMedicalNoteの記事*1) 私も、(狭窄がないので)食物繊維は緩くしか制限していないが、脂質の摂取量…

ヒュミラ 6〜8回目 その2(2/2)

<<その1からの続き>>肛門の診察をしてもらえるのでホッとしながらベッドに横になろうとするが、お尻の診察は久しぶり(この病院では2回目)で勝手を忘れており、ちょっと戸惑っていた。すると、先生が「おーい。○○さーん。お尻診るよー」と看護師さんを呼ん…

ヒュミラ 6〜8回目 その1(1/2)

6〜8回目の間の体調のメモ。 6回目、12/18 11:30頃、右の腹部へ打つ。12/19(木)の夜に座薬注入。12/20(金)の午後くらいには便の状態は良くなる。20日の夜に飲み会があったため、12/21(土)の夜だけは下痢気味だが、その後回復。12/24(火)の夜にも飲酒…

フレーバーがなかったら

出先で「エレンタールは持ってきたのにフレーバーを忘れた」という経験が2度ある。一度目の時は買い物に行く時間的・距離的余裕が無かったことと、多分に興味本位で、エレンタール1包分を何も味付けせずに飲んでみた。 味は、・・・マズイ。 喉が渇いていた…

書籍とインターネット、勉強するなら・・

「痴れ言・放言」のカテゴリーなのでクローン病とは関係の無い、主観のみのいい加減な記事です。ご注意を。かつては、知識と言えば書籍からと相場が決まっていたが、2000年代に入ってからはweb上のコンテンツも充実してきた。 そして、webの発達に伴って情報…

ヒュミラ 2〜5回目 その2(2/2)

<<その1からの続き>>診察室を出て「食事後にお腹が鳴ることが多くなったのも少し気になることだけど、言いそびれたな。」ということを思い出したが、痛みや違和感は全くないので、狭窄があるとしても(急を要するほど)ひどくなっているわけでもないだろうか…

ヒュミラ 2〜5回目 その1(1/2)

10/23(水)以降の調子のまとめ。2回目のヒュミラを打って以降、10/28の夜までは好調。10/28の夜、父の危篤の知らせを受けると下痢気味となる。 微妙な調子が続き、3回目のヒュミラ注射後も劇的な回復はなし。3回目の後半(11/16(土)前後)から肛門部から…

生物学的製剤の種類により抗体の出来やすさが異なる

自分がヒュミラを使うようになったのもあって、二次無効の出やすさが薬によって異なるのかが気になっていたが、 この答えに近いものが川畑(2018)*1に載っていた。川畑(2018)は、エタネルセプトについて解説している論文だが、その文中で抗TNF-α製剤の抗体の…

父の葬儀 その3(3/3)

<<その2からの続き>>翌日は葬儀場近くのコンビニで朝食のおにぎりを買って食べ、式までに部屋を空にするために荷物を自家用車に積み込んだ。 10時過ぎに担当者がやってきて簡単な式の説明を受け、届いた弔電の読み上げ順と内容を省略する分を決めた。供花・…

父の葬儀 その2(2/3)

<<その1からの続き>>通夜の当日は朝の10時から自宅で葬儀社の担当者と打合せをした。内容は全体的な流れの確認と、供花・供物、食事の個数の確認だった。供花については設置する順番(通常は個人に関係が近い方から、兄弟、子、親戚・・・のようになる)の確…

父の葬儀 その1(1/3)

10/28に父が亡くなり、その後に通夜・葬儀を行った。「症状がひどくないときで良かったな」と思うことがいくつかあったので、書き残しておく。 危篤の連絡が来たのは10/28の夜22時過ぎ。そろそろ眠ろうかというときだった。電話の音に気づいた妻に「携帯鳴っ…

レミケードの一次無効について

二次無効があるのに一次無効の記事がないのも気持ち悪いと思い、一応まとめてみる。一次無効とは、"初回投与から治療反応性が見られない"症状(遠藤ほか2012*1)のことである。 最初の3回の投与で効果が見られない場合にはこの一次無効であるとされ、他の治…

ヒュミラ2回目

ヒュミラの初回投与から2週間が経った10/23(水)に効果の検証と今後の治療方針を決めるために診察に向かった。いつも通り9:00の予約だが、この日はやや遅めの到着で、8:50分過ぎに受付に到着し診察券などを提出して待つ。早い時間にもかかわらず混雑してい…

レミケードからヒュミラへの変更 その2

その1からの続き 待合室で15分ほど待っていると、看護師さんが来て点滴室へ連れて行かれる。血圧を測ったか聞かれたので、「ヒュミラの時もいるんですか?」と聞くと「今回は初めてなので」ということだった。急いで血圧を測って渡すと、降りてきたエレベー…

レミケードからヒュミラへの変更 その1

10/9が10回目のレミケードの予定日だったので病院に向かった。予約した9時よりも15分ほど早く病院に着き、受付で診察券など一式を出して待合スペースで待っていると、5分ほどで採血に呼ばれた。いつも通り診察前の採血をしてもらい、再び待合スペースで待ち…

ラグビーワールドカップを観戦

9/21(土)にラグビーワールドカップのニュージーランド対南アフリカ戦を見に行った。横浜会場では、プール戦(予選)の段階からラグビーに詳しくない私でも分かるような好カードが組まれている。(ラグビー好きの)妻がチケットを確保してくれたので、試合…

レミケードで狭窄は起こるのか?

レミケード治療中の消化管の狭窄の話はよく耳にする。レミケード治療をすると、狭窄が起きやすくなるようにも感じられてしまうが、本当だろうか? 基本的には「レミケードが狭窄を進行させることはない」というのが一般的な認識のようだ。 辻川ほか(2010)*1…

私が病気のことを学ぶ理由

クローン病になってからは、本屋で医学書なども覗くようになり、病気に関連する言葉を検索することも増えた。購入する論文雑誌や教科書類は比較的安価な物が多いが、それでも1冊5,000円前後する。他の趣味に比べ出費が明らかに多いので、購入を検討する度、…

レミケード9回目(倍量投与2回目)その2(2/2)

その1からの続き専用の点滴室があると思っていたのだが、連れてこられたのは以前大腸内視鏡検査を受けた時の前処置室だった。看護師さんの後について、検査を受けるであろう人達の間を縫って奥へ行くと、カーテンと壁で仕切られたスペースにベッドがあった。…

レミケード9回目(倍量投与2回目)その1(1/2)

8/14に2度目のレミケード(インフリキシマブBS)の倍量投与を受けた。 台風が接近しており、天気が不安定だったので電車の遅延も考えて少しだけ早めに家を出た。家を出るときには曇っていて、涼しいのがありがたかったぐらいだったが、病院の最寄り駅から外…